消費税のインボイス制度における2割特例や、免税事業者からの課税仕入れに係る仕入税額控除は、あくまでも経過措置である為、時期が到来すれば終了する予定ですが、税制改正により内容の見直しが行われました。
2割特例終了後の取扱い
令和8年で終了予定であった2割特例ですが、令和8年度税制改正により、令和9年及び令和10年については3割特例が適用可能となります。すなわち売上消費税の3割相当額が納付税額となります。なお、適用を受けられるのは基準期間における課税売上高が1千万円以下で、かつインボイス登録をされている個人事業主に限られます(法人には適用はありません)。
特例が使えなくなり、簡易課税への移行をする場合ですが、簡易課税を適用するには、原則適用を受けようとする課税期間の開始の日の前までに簡易課税制度選択届出書を税務署に提出する必要があります。
但し、2割特例の適用を受ける3月決算法人については、令和10年5月31日までに同届出書を提出すれば令和10年3月期は簡易課税によることができます。また、3割特例の適用を受ける個人については、令和12年4月1日までに同届出書を提出すれば令和11年は簡易課税によることができます。
簡易課税の留意点としまして、基準期間における課税売上高が5千万円を超える場合は、届出書を提出していても原則課税による計算を行うこととなります。
また、設備投資などがあり還付を受けるために原則課税に戻ろうとする場合は、事前に簡易課税制度選択不適用届出書を提出しておく必要があります。
免税事業者等からの課税仕入について
免税事業者やインボイス登録をしていない事業者からの課税仕入れについてですが、令和8年9月30日までに行われる課税仕入れは80%控除することができ、令和8年10月1日以降の課税仕入れは50%控除となる予定でした。
しかし、今回の税制改正により、今後の控除割合及び適用期間は以下のように変更となっております。
令和8年10月1日から令和10年9月30日まで 70%
令和10年10月1日から令和12年9月30日まで 50%
令和12年10月1日から令和13年9月30日まで 30%
課税仕入れの時期の判定についてですが、商品の仕入れであれば、原則その商品の引き渡しが行われた日で判定します。役務の提供の場合は、その約した役務の全てが完了した日により判定を行います。なお、短期前払費用の取扱いの適用がある役務提供であれば、判定日はその支出をした日となります。
令和8年10月1日以後開始する課税期間からは、インボイス未登録者である一の取引先から受ける課税仕入れにつきましては、その年又は事業年度で1億円(現状10億円)を超える金額につきましては、仕入税額控除の対象外となります。
なお、免税事業者からの課税仕入れの為インボイスが未入手であったとしても、経過措置の適用を受けるには、従来の区分記載請求書の保存は必要となります。
基準期間における課税売上高が1億円以下である事業者が行う1万円未満の課税仕入れについてインボイスの保存が不要となる少額特例ですが、こちらの適用期限は変わらずに令和11年9月30日です。
テーマのポイント(Points to note)
中小事業者にとって消費税は大きな負担である為、一般消費者のみを取引対象とする事業者など、自身の取引先がインボイスを必要としていなければ、インボイス登録を行う必要はありません。
一部の得意先からインボイスの交付を要求され、何らかの対応が必要となる場合は、インボイス登録は行わずに、先方が適用を受けられなくなる仕入控除税額に相当する金額を値引き改定するという方法もあります。
金額改定の計算方法ですが、例えば控除割合が80%の場合で、インボイス未登録の事業者が税込金額55万円の取引を行ったとしますと、購入者側は消費税額のうち20%相当額を負担することとなりますので、次のような計算を行います。
① 500,000円 ÷ 1.02 = 490,196円
② 500,000円 - 490,196円 = 9,804円
③ 490,196円 × 1.1 = 539,215円
①は改定後の税抜金額で、②は本体価格の値引き金額です。そして、③が改定後の税込金額となります。
インボイス登録をやめようとするときは、登録の取り消しを求める旨の届出書を税務署に提出します。翌課税期間から発行事業者をやめる場合には、翌課税期間の初日から起算して15日前の日までに提出する必要があります。
また、取りやめ後に再度インボイス登録を行う場合は、登録申請書を登録を受けようとする日から起算して15日前までに改めて提出します。なお、登録日以後2年を経過する日の属する課税期間までは、免税事業者に戻ることはできませんので注意が必要です。
If buyers are general customers and don’t require invoices, you don’t need to resister as the qualified invoice issuer. When a few customers require your invoice and you can’t decline the requests, you may address them by offering a discount equal to the amount of not eligible for the purchase tax credit.
When the registered invoice issuers want to cancel their registration, they must submit an application requesting cancellation of the registration to the local tax office. Please note that they can’t change the status of taxpayers until the end of the tax period in which the two-year period following the registration date.






