3月末決算日前にやっておくべきこと

3月31日は多くの法人の決算日ですが、今回は決算日を迎える前にやっておくべきことをピックアップしたいと思います。

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資産科目のチェック

|現金及び預金

小口現金実査は行われていますでしょうか。また預金残高は帳簿残高と一致していますか。

決算日以後は忙しくなりますので、今のうちに合わせておきましょう。

|受取手形及び売掛金

得意先への残高確認、滞留状況の把握、前受金との両建てのチェック、手形割引額及び裏書譲渡額の把握、貸倒れの可能性の確認等、やるべきことは多いです。

未回収案件のうち、取引停止又は最後の弁済から1年以上経過しているときは、貸倒損失処理することができます。

|棚卸資産

実地棚卸のスケジュール作成等準備、預け品・預かり在庫の有無の確認。

また、不良品や長期間動いていない商品等がありましたら、処分することも検討しましょう。

|経過勘定

前払費用、前受収益、未払費用、未収収益の取崩し及び計上漏れの注意。

また、仮払金や立替金がある場合には、未精算となっている旅費や諸経費の他、残っているものの洗い出し。

使途がわからない支出がありましたら、直ちに調査をしましょう。使途秘匿金と認定された場合には、その金額が損金不算入となる他、その金額の40%がペナルティーとなります。

|固定資産

通常の減価償却の他、特別償却など特例処理ができるものの確認や未使用・未稼働のものの除却の検討。

特別償却準備金を前年以前に計上されている場合には、その取崩を忘れずに行わなければなりません。

また当期の支出のうち、一括償却修繕費にできるのは無いか見直しをするべきです。

|投資有価証券

利益が大幅に出る見込みで、株価が下落している銘柄を保有しておりましたら、売却されることも選択の一つです。

株価が著しく下落しており、検証の結果、回復の見込みがないと判断されたときは、減損処理も可能です。

 

負債科目のチェック

|買掛金・未払金

支払いが漏れている請求書はございませんでしょうか。債務についてもエイジングを行い、支払予定表を作成し、資金繰り表に反映させることが大切です。

|借入金

複数の銀行との取引が有る場合には、預金も含めて各行の残高のバランスをどうするか決めておきます。

借入金で繰り上げ返済できるものはないか確認をし、できれば返済を行い、財務内容を改善したいところです。

なお、経理処理を適切に行っている会社で、経営者保証をされておられましたら、保証を解除していただくことも検討しましょう。

※経営者保証に関するガイドラインはこちら

|引当金

夏のボーナスを慣例的に支給されている場合には、賞与引当金を計上する必要があります。そのときは社会保険料の会社負担額も併せて見積計上します。

また、賃上げを行っているものの、所得拡大促進税制の要件をわずかに満たさないようなケースでは、決算賞与の支給も一考の余地があります。

税金負担額を減少させるだけでなく、従業員の士気向上にもつながります。

 

収益・費用科目のチェック

|売上・仕入

20日締めの得意先への売上、仕入先からの仕入についても、3月31日までに引き渡しを行ったものについては、当期の決算に計上しなければなりません。

当期の売上に対応する商品原価や製造原価は、すべて当期に計上されているか、あるいは逆に得意先の都合等により、売上計上されていない案件はないか、確認をしておきましょう。

|役員報酬

適正な改定を除いて、役員報酬は毎月一定金額となっておりますでしょうか。役員賞与は事前に届け出た金額・支給時期と一致しておりますでしょうか。

|交際費

損金算入される接待飲食費や一人当たり5千円以下の少額飲食費に該当するものの区分をしておきましょう。

また、社長様の事業とは無関係の個人的な支出は経費となりません。

決算処理の他にも、来期の消費税の課税方法の有利判定及び届出書の提出や、納税資金の準備等、やるべきことはたくさんあります。

 

以上が主な留意事項になりますが、4月になってから慌てないためにも、早めの準備を行うことが何よりも肝要といえるのではないでしょうか。

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