リーディング問題のスタートがPart5ですが、新形式となってからは問題数が減少しており、難易度もやや下がったように思われます。但し、最後に膨大なボリュームのPart7が控えているため、正確性とともにかなりのスピードが要求されます。
目次
Part5の概要
Part5は計30問の構成で、1問当たり約20秒で解き10分以内に終わらせることが望ましいです。難問に直面した場合でも長くて30秒以上の時間をかけないようにしましょう。
｜問題パターン
文法問題だけに問われる内容は様々ですが、おおまかな分類は下記のようになります。
（1）品詞（単語の品詞を選ぶ）
（2）語彙・語法（単語の意味や使われ方）
（3）前置詞・接続詞（前後をつなぐものを選ぶ）
（4）格（主格や所有格など）
（5）主述の一致（三人称単数など）
（6）態（能動態か受動態か）
（7）時制（過去・現在・未来さらに進行形・完了形）
（8）準動詞（現在分詞・過去分詞）
（9）関係詞（関係代名詞・関係副詞）
その他にも、英語特有の慣用表現（in lieu of など）や仮定法（It is imperative that S + 原形動詞 など）などが問われることもあります。
ポイントとしましては、選択肢と空欄の前後の内容だけで解ける問題と、そうでない問題（文の構造、意味の理解などが必要）があるということです。即ち前者の場合は時短のチャンスであり、後者の場合は論理的な解法を用いることと時間をかけすぎないことが大事です。
｜事例検証（基本問題）
各々の問題事例を確認していきたいと思います。まずは、選択肢と空欄の前後の内容だけで解ける問題からです。
All installed machines need to be maintained（ ）by technicians from produce department.
（A）periodical（B）periodically（C）periodic（D）period
答えは（B）ですが、決め手は空欄を除いても文章が成立していることです。その場合は”飾り”となる単語が入ります（この問題ではmaintainという動詞をperiodicallyという副詞が修飾しています）。
After multiple interviews last month, Mr. Yamada has been offered the job due to his（ ）knowledge and experience of automobile industry.
（A）extent（B）extending（C）extend（D）extensive
答えは（D）です。こちらも空欄を除いても文章が成立しています。（この問題ではknowledgeという名詞をextensiveという形容詞が修飾しています）。
続きまして、選択肢と空欄の前後の内容だけでは解けない問題を見てみます。
Over the last week, all IT department members（ ）with many complaints from customers about errors of new software through our web site.
（A）had dealt（B）were dealt（C）have been dealing（D）will be dealing
まず members は deal する側ですので、受動態である（B）は消去されます。そして Over the last week というフレーズに着目します。過去からずっと続いている状態を示すには（C）の現在完了進行形を選びます。（A）の過去完了は過去の一時点を表すフレーズとともに用います（since the beginning of the year など）。（D）は未来を指しますので last week とは合いません。
ABC corporation has（ ）Ms. Patel as vice president to improve sales figure in Southeast Asia region urgently.
（A）appointed（B）served（C）assumed（D）managed
まず（B）と（C）は人を主語にとり、各々、「奉仕する」「引き受ける」という意味となります。また（D）は文意に合いません。正解は Ms. Patel（人）を vice president（役職）に任命したという意味の（A）です。
上2問と比較して下2問は「時制」「態」であったり、「語彙」「語法」の知識がないと正解にたどり着くことが難しくなっております。
Part5の対策
まずはたくさんの問題を解き、かつ繰り返し解き直しを行って、知らない単語や語法を暗記するとともに辞書で確認をしましょう。発音を聞いたり、英英辞書を引くことも理解を深めてくれます。
｜暗記対策
暗記方法で有効なのがグループ化です。基本となる一つの意味に対して複数の単語や熟語を覚えることができます。これはTOEICで必須のパラフレーズ対策にもなります。いくつかの例を下記に記載いたします。
【不注意に、うっかりして】
inadvertently, unintentionally, accidentally さらにここから派生して、反意の「故意に」という意味である advertently, intentionally, on purpose をおさえます。
【（ルールを）順守する】
comply with, adhere to, observe また形容詞による表現として be compliant with, be observant of さらに名詞による表現として in compliance with, in accordance with などがあります。
【（問題などに）対処する】
deal with, handle, cope with などがありますが、take care of や address が使われる場合もあります。また要望に応えるという意味で accommodate をおさえます。
【有名な】
famous の他に、well-known, renowned, famed, noted, celebrated, prominent また、高い評価を受けているという意味で、critically acclaimed, highly regarded と幅広い表現方法があります。
一つの単語にとどまらず、同義の単語やフレーズ、センテンスにおける使われ方なども確認し、関連付けて覚えていくことで記憶に定着しやすくなります。
｜スピード対策
単語や文法の勉強とともに欠かせないのが、スピードの向上です。このPartはすばやく問題と選択肢に目を通して、限られた時間内に回答をしなければなりません。早く読み早く解くトレーニングは必要です。しかし、選択肢と空欄前後だけで解けない問題であっても、文章の意味や構文の把握を行う際に注意すべき点があります。
それは全てを読んで翻訳する必要はないということです。もちろん全てに目を通しますが、一つ一つ訳していては大切な時間を失ってしまいます。要は回答に不要な情報はさっと流すということです。
実際に問題例を見てみましょう。
Mr. Morgan, sales manager of Trust Food Inc., has decided to launch its new product line on schedule, because the results of customer survey are（ ）than expected.
（A）disappointed（B）favorable（C）pleasant（D）feasible
長い文章ですが、必要な情報だけ取り出しますと、Morganさんは、調査結果が（ ）なので予定通りに商品の発売をすることにした ということですので、正解は「良かった」という意味となる（B）です。英文も必要な箇所だけ残しますと、
Mr. Morgan, sales manager of Trust Food Inc., has decided to launch its new product line on schedule, because the results of customer survey are（ ）than expected.
と、このように大幅に単語数を減らしても概ね意味は理解でき、正解を選ぶことはできます。極端かもしれませんが単語を半分以下の8個まで減らしても対応し得るということです。
難問への対応
以前よりも数は少なくなったとはいえ、やはりPart5は文法問題ですので、しっかりと文法を把握していないと解けない問題が数問は出題されます。
｜事例検証（応用問題）
ここからは上級者でもついうっかり間違えてしまう可能性のある問題をピックアップして参りたいと思います。
At the industrial exposition, many attendees（ ）showed interest in the our new products will be launched next week.
（A）question（B）questionnaire（C）questioning（D）questioned
回答のポイントは空欄を除いても文章が成立していることに加え、名詞は後ろからでも修飾されるということです。この場合は「質問を受けた参加者」とするため（D）が入ります。
（ ）for opening managerial position at Boston Electoric company should submit resume and reference to representative at human resources department by next weekend.
（A）Application（B）Applicant（C）Applicants（D）Applying
主語が無く for 以下で空欄の主語を修飾していることがわかりますので（D）はなく、また履歴書を提出するとあるので、「人」ではない（A）も省かれます。しかし、そこで慌てて（B）を選ぶと不正解となります。なぜなら Applicant は可算名詞である為、a や the といった冠詞が必要となるからです。よって正解は（C）となります（選択肢には目を通し、他に正解の可能性があるものがないか疑うことも大事です）。
（ ）the advantageous location directly across from the station, it is unbelievable that sales of the new branch have been declining for three consecutive months.
（A）Given（B）On condition that（C）Although（D）In spite
（ ）を含む前半部分は名詞句（動詞が無い）ですので、接続詞である（B）と（C）は除かれます。（D）は in spite of で、～にもかかわらず という意味の前置詞ですので不正解です。よって正解は「～を考慮すると」の意味の前置詞である（A）となります。Given (that) は前置詞としても接続詞としても使用できますので、是非覚えておきましょう。
｜留意事項
知らない単語やフレーズの暗記も重要ですが、who, where といった関係代名詞や関係副詞の用法、each, every などの代名詞の使い方、その他にも little, much, other, another などについて今一度確認をしておきましょう（下記はご参考です）。
・that は前に前置詞を置けない（to which などは有り）
・what は先行詞をとらない（the things that と読み替えられる）
・each of the + 可算名詞（複数形）で、各々の○○（products など）
・much of the + 不可算名詞で、多くの○○（machinery など）
・for two more weeks と for another two weeks の語順
まとめ（Conclusion）
Part5は最も早さが要求され、かつ取りこぼしをしたくないPartと言えます。急いでいても論理的なアプローチを忘れずに、一方で難問に直面した時もタイムマネジメントをしっかり行い、次のPart6に臨みましょう。
